PhotoshopでクオリティUP!合成した写真を自然になじませる方法を紹介

Photoshopで人物などのオブジェクトを切り抜いた写真を使って、合成写真を作る人は多いのではないでしょうか。
合成写真は、色味や明るさを調整することでクオリティを上げることができます。
この記事では、Photoshopで合成写真を作成する際の作り方や注意点について紹介します。
デザイナーやレタッチャーを目指す人にとっては欠かせないテクニックですので、ぜひチェックしてみてください。

具体的には、以下のような手順で作業していきます。

STEP.1
ぼかしツールを使う
ぼかしツールを使い切り取った画像の境界線をぼかします
STEP.2
調整レイヤーを使う
切り取った画像を背景に馴染ませるために調整レイヤーを使って色調補正をします。
STEP.3
光を作成する
切り取った画像の違和感をなくすために背景を見ながら光を作成します。

準備:合成する前の注意点

まずは、Photoshopで合成写真を作成する前の注意点について紹介します。
ここで紹介することは、合成写真のクオリティにも関わってくるので、ぜひご確認ください。

合成する写真は著作権に留意してあるか

当たり前ではありますが、他人の写真を許可なく無断で使用するのはNGです。
特に世間に公開する際は注意が必要です。
自分で撮影した写真もしくは、フリー素材を紹介しているサイトの写真を使用しましょう。

光の向きに違和感はないか

合成するための素材を探す際に、画像の光の量や角度を確認しておきましょう。
背景画像と切り取る画像の光の角度や量が近いと良いのですが、違う場合は難しい調整をしなければなりません。

例えば、上の画像のように光の角度や量が全く違う写真を合成する場合、色味や明るさの調整が大変なため初心者には難しいかもしれません。
どうしても指定の写真を合成しなければならない場合は仕方ありませんが、なるべく合成のしやすい写真を選びましょう。

アングルに違和感はないか

アングルとは、被写体に対するカメラの角度のことを指します。
背景画像と切り取った画像のアングルが違う場合、合成したときに違和感がでます。
もし合成して違和感がある場合は、変形の「ゆがみ」を使って調整しましょう。

合成する写真の解像度はおかしくないか

合成する際には、2つの画像の解像度が近いかも確認しましょう。
解像度は、編集で修正するのが難しいのでなるべく解像度の近い画像を選んでください。


①ぼかしツールで境界線をぼかす

それでは、いよいよ合成した写真を馴染ませる方法について説明します。

今回はこちらの写真を馴染ませていきます。
ちなみにこの記事で合成した写真です。
合成やコラで使える!Photoshop(フォトショップ)の変形ツールの使い方を紹介

切り取った写真は、境界線がガタガタしていたり、背景から浮いて見えることもあります。
まずは、切り取った写真の境界線をぼかしツールでぼかしていきましょう。
境界線やつなぎ目をぼかすことで、よりなじませることができます。

ツールバーからぼかしツールを選択します。
今回は、直径を250px、ぼかしの強さを80%にしました。

切り取った画像の境界線をなぞっていきます。
画像のようにぼかしツールでなぞると、境界線がいい具合にボケて背景と馴染んでいきます。
この調子で境界線全体をぼかしていきましょう。
しかし、ぼかしを強くし過ぎると違和感が生まれるので注意してください。


②調整レイヤーで画像をなじませる

次に調整レイヤーを使って、色味や明るさを調整する方法について紹介します。
調整レイヤーを使うメリットは、失敗した時にすぐにやり直せるという点があります。
調整レイヤーは、通常の編集方法と違って画像を直接修正せずに、「画像の明るさを調整する専用のレイヤー」や「画像の色味を調整する専用のレイヤー」を作成して、下のレイヤーに色調補正をかけることができます。
なので、失敗したらそのレイヤーを削除するだけなので、何度でもやり直すことが可能です。

トーンカーブを使う

切り取った画像と背景画像の明るさを近づけます。

調整レイヤーから「トーンカーブ」を選択してレイヤーに追加します。
次に「トーンカーブ」のレイヤーを右クリックして、「クリッピングマスクを作成」を選択してください。
クリッピングマスクを作成しないと背景の画像も明るさが変わってしまうので注意してください。

自動補正をクリックすれば、自動で明るさを調整されます。
陰になってしまっている部分も明るく調整してくれるので便利です。

自然な彩度を使う

次に彩度を調整していきます。

調整レイヤーから「自然な彩度」を選択してレイヤーに追加します。
「トーンカーブ」の時と同様にレイヤーを右クリックして、「クリッピングマスクを作成」を選択してください。

背景を見ながら、インジケーターを操作して彩度を調整してください。

これで、画像の色を調整できますがもう一つ自動で彩度を調整できる方法もあります。
以下でその方法を紹介いたします。

おまけ:カラーの適用を使う

カラーの適用は、調整レイヤーを使わず画像に直接修正を加える機能なので、後からやり直すのが難しくなりますが、自動で彩度を調整できる便利な方法なので覚えておくと便利かもしれません。

画面上部のメニューからイメージ>色調補正>カラーの適用を選択します。

カラーの適用のパネルが表示されます。
ソースの部分をクリックして、色調補正をしたいレイヤーを選択します。
レイヤーの部分をクリックして、背景にしてしているファイルを選択します。
OKのボタンを押します。
自動で色調補正をしてくれます。


③背景画像に合わせて光を作る

最後に背景画像に合わせた光の作り方を紹介します。
このステップは、合成して色調補正もしたのにまだ違和感がある場合に参考にしてください。
過剰に光を作成すると加工っぽさが際立ってしまうので注意が必要です。

どんな光を作るか考える

まず、どのような形の光を作るか背景画像を見ながら考えます。

今回の背景画像は、右上に蛍光灯があるのでこのような形の光を作っていきます。

長方形選択ツールを使う

まずは、長方形選択ツールを使います。

新規レイヤーを作成して、先ほど考えた光の形と同じくらいの大きさの長方形を作成します。
後で変形ツールで調整するので、配置する場所や大きさはアバウトで大丈夫です。

長方形を白色に塗りつぶす

ブラシツールに持ち替えて、選択範囲を塗りつぶします。
この時背景や別のレイヤーを塗りつぶさないように注意してください。

変形を使って形を調整する

長方形の形や位置を調整していきます。

Ctrl+tで白の長方形を選択状態にします。
画面上部のメニューから編集>変形を選択して、「ゆがみ」や「自由変形」を使用します。

画像のように長方形の形を調整していきます。
最初に考えた形に調整できたら完了です。
光が複数必要な場合はコピー&ペーストして複製しましょう。

変形の使い方はこちら
合成やコラで使える!Photoshop(フォトショップ)の変形ツールの使い方を紹介

レイヤーの描画モードと不透明度を変更してぼかす

最後に、レイヤーの描画モードと不透明度を変更していきます。

レイヤーパネルの「通常」の部分をクリックして、オーバーレイに変更します。
そして、不透明度を70%にします。

画面上部のメニューからフィルター>ぼかしを選択して「ぼかし(ガウス)」をクリックします。
半径を190pxに設定して「OK」をクリックします。
これで完成です。

もう少し光を大きくして合成部分と重ねるようにすると、より合成っぽさを隠せます。
描画モードや不透明度は、合成する写真によって他に適している設定があると思うので、ご自身でいろいろいじってみることをおすすめします。


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なるべく違和感をなくすことが重要

画像を合成する際には、違和感の原因を考えながら一つずつ仕上げていくことが効果的です。
以下が今回のポイントです。

  • ぼかしツールで境界線をぼかし違和感をなくすことができる
  • 調整レイヤーは失敗してもやり直しが簡単
  • 背景画像に合った光を作るとクオリティが上がることもある

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