アイデア出しをする際に、どのようなフレームワークを使用していますか。
この記事では、企画作成などで使えるアイデア出しのフレームワークを10個紹介します。
一人でできるものと、複数人でできるものに分けてありますのでぜひご覧ください。
一人でできるアイデア出しのフレームワーク
まずは、一人でもできるアイデア出しのフレームワークを5つ紹介します。
手順やコツ、どんなときに役立つかも紹介しますのでぜひチェックしておいてください。
マインドマップ
マインドマップとは、自分やチームの考えを連想ゲームのように繋げていくフレームワークです。
頭の中の思考を可視化でき、出したアイデアを記憶に残しやすいというメリットがあります。
また、細かいルールなどが少なく自由度が高いため、手軽に使えるフレームワークです。
マインドマップの手順
①大きな紙やノートと筆記用具を用意する。
②中心に軸としたいキーワードやテーマを書く。
③周りに線を伸ばして、関連するキーワードを書いていく。
④連想したキーワードの周りにさらに線を伸ばし関連キーワードを書いていく。
マインドマップのコツ
マインドマップのコツとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 無地で横長の用紙を使用する
- キーワードはなるべく単語で書く
- 固定概念に囚われず自由に書く
- 細かいルールは気にせず自分の好きなように進める
- 楽しみながら連想する
どんなときに役立つ?
マインドマップは、以下のような場合で役立ちます。
- 頭の中で考えていることを整理したいとき
- 思考を目に見える形に落とし込みたいとき
- 主題やテーマから連想ゲームのように思考を広げたいとき
シナリオグラフ
シナリオグラフとは、「誰が」「いつ」「どこで」「何を」という4つの切り口からキーワードを考えて、ストーリーを作りアイデアを生み出すフレームワークのことです。
シナリオグラフの手順
①テーマを用意する(例:社会人向けのプログラミング学習サービス)
②紙を用意して表を作成して、「誰が」・「いつ」・「どこで」・「何を」の4つを設定する。
③テーマを基に、表へアイデア(キーワード)を書き出していく。
④「誰が」・「いつ」・「どこで」・「何を」からそれぞれ一つずつ選びストーリーを作成する。
⑤作成したストーリーから企画として使えそうなものを選び深堀していく。
シナリオグラフのコツ
シナリオグラフのコツとしては、以下のようなものが挙げられます。
- テーマと関係なさそうなキーワードも出してみる
- 質を意識せず、なるべく多くのストーリーを作成する
- 誰がどんな風に行動するのか、なるべく具体的にイメージする
どんなときに役立つ?
シナリオグラフは、以下のような場合で役立ちます。
- 過去とは違うアイデアを出したいとき
- ターゲットとなる人物がいつ、どのように行動するのか具体的に想像したいとき
- 既存のアイデアから外れた発想をしたいとき
マンダラチャート
マンダラチャートとは、3×3のマスを使ってアイデアを目に見える形にするフレームワークです。
マインドマップと似てフレームワークですが、マンダラチャートの方が書ける数を制限されている分、整理しやすくなっております。
マンダラチャートの手順
①3×3のマスが書かれた用紙と筆記用具を用意する。
②真ん中のマスにテーマを書く。
③周辺の8マスに関連キーワードを書く。
④3×3のマスを複製して、真ん中に先ほど出した関連キーワードを書いてさらに関連キーワードを書いていく。
マンダラチャートのコツ
マンダラチャートのコツとしては、以下のようなものがあります。
- 必ず8マス全てに記入すること
- 手順③では抽象的なアイデアを出し、手順④では具体的なアイデアを出す
どんなときに役立つ?
マンダラチャートは、以下のようなときに役立ちます。
- 考えていることを目に見える形に落とし込みたいとき
- 主題やテーマから連想ゲームのように思考を広げたいとき
- マインドマップより整理した形で、思考を視覚化させたいとき
MECE(ミーシー)
MECEとは、日本語にすると「モレなくダブりなく」という意味になります。
商品の売り上げが伸びない原因や、事業の成長を促す提案など、何かしらの要因をモレなくダブりなく整理するときに使用されます。
モレやダブリを防ぐことのできるフレームワークで、見落としや混乱をなくせるというメリットがあります。
MECEの手順①トップダウンアプローチ
トップダウンアプローチは、テーマの全体像がはっきりしているときに使用されます。
①全体を俯瞰する。
②モレやダブりが無いようにグループの軸を決める。(年齢、性別など)
③要素をそれぞれのグループに振り分ける。
MECEの手順②ダウンボトムアプローチ
ダウンボトムアプローチは全体像が把握できていないときに、ある要素に絞りこんでブレインストーミングのように発想していきます。
①使えそうな要素を書き出す。
②書き出した要素をグループ化して、全体を明らかにする。
③トップダウンアプローチでモレやダブりが無いか確認する
MECEのコツ
MECEのコツには、以下のようなものがあります。
- 年齢、性別、地域などの要素からグループ化する
- 生産から流通までの流れやPDCAサイクルなどの時系列でグループを考える
- 質と量、個人と法人など対比した事柄からグループ化する
- 単価×顧客数×購入頻度など各要素の相互関係でグループを考える
どんなときに役立つ?
MECEは、以下のようなときに役立ちます。
- アイデアをモレなくダブりなく出したいとき
- アイデアを網羅的にまとめたいとき
- 思考を論理的に分かりやすくまとめたいとき
SCAMPER法
SCAMPER法は、SCAMPERのリストという48の質問項目が書かれたリストを使用してアイディア出しをしていくフレームワークです。
Substitute(代用する)、Combine(組み合わせる)、Adapt(適応させる)、Modify(修正する)、Put to other uses(ほかの用途)、Eliminate(省略する、除去する)、Rearrange(再調整する)の7つに分かれており、それらの質問に答えていきながらアイデアを出します。
短時間で確実にアイデアが出せるというメリットがあります。
SCAMPERの手順
①SCAMPERのリストという48の質問項目が載ったリストを用意する。(ネットからダウンロード可能です)
②質問を5秒で読み、アイディアを出せそうならチェック、思いつかなければパスする。
③チェックした項目を整理してアイディアを出す。
どんなときに役立つ?
SCAMPER法は、以下のようなときに役立ちます。
- 短時間で確実にアイディアを出さなければならないとき
- いろいろな角度からアイデアを出したいとき
複数人で使えるアイデア出しのフレームワーク
ここでは、複数人でアイデア出しをするときに役立つフレームワークを紹介します。
一人でできるフレームワークもありますが、複数人でやることでより効果を発揮するのでぜひチェックしてみてください。
ブレインストーミング
ブレインストーミングとは、グループでアイデア出しを行いお互いの発想を誘発するフレームワークです。
ブレストと略されることが多いです。
グループでアイデア出しを行うことで、1人では思いつかないようなアイデアを生み出せるというメリットがあります。
ブレインストーミングの進め方
①ブレインストーミングの主題や目的を決める。
②職種や年齢などなるべくタイプの違う参加者を集める。
③制限時間を設定して自由にアイデアを出していく。
ブレインストーミングのコツ
ブレインストーミングのコツは、以下のようなものが挙げられます。
- 出したアイデアを批判しない
- どんなアイデアでも歓迎する
- 質より量を重視する
- 他人のアイデアに便乗してアイデアを出してもいい
どんなときに役立つ?
ブレインストーミングは以下のようなときに役立ちます。
- 0から新しいアイディアを生み出したいとき
- 新しい企画を打ち出したいとき
シックスハット法
シックスハット法は、「客観的」「感情的」「否定的」「肯定的」「創造的」「思考的」という6つの異なる視点からアイデア出しを行うフレームワークです。
それぞれの視点からアイデアを出すことで多角的なアイデアを出せるというメリットがあります。
シックスハットの6つの役割
シックスハットには以下の6つの役割があります。
- 白・・・客観的な事実や数値に関する視点
- 赤・・・感情や直感的な視点
- 黒・・・警戒や注意を促すマイナス(ネガティブ)の視点
- 黄・・・ポジティブでプラスの視点
- 緑・・・創造的で新しい考え方への視点
- 青・・・全体のプロセスや手順を構成する視点
シックスハット法の手順
①6色の帽子(ない場合はカードなど色分けができるもの)と紙もしくはホワイトボードを用意する。
②司会進行役を決める。
③「青・黄・黒・緑・白・赤」の順番でアイデア出しを行い、ホワイトボードに記入していく。
④繰り返しアイデア出しを行っていく
シックスハット法のコツ
シックスハット法のコツとしては以下のようなものが挙げられます。
- それぞれの役割になりきってアイデアを出す
- それぞれの役割でアイデアが矛盾してもいいので量を出す
どんなときに役立つ?
シックスハット法は以下のようなときに役立ちます。
- 0からアイデアを出したいとき
- 様々な側面からアイデアを出したいとき
ブレインライティング
ブレインライティングとは、横3マス縦6行で構成されたシートを使用してゲーム感覚で自由なアイデアを出すフレームワークのことです。
自分の意見を発表することが苦手な人でもアイデア出しをしやすいというメリットがあります。
ブレインライティングの手順
①シートと筆記用具を用意する。
②テーマに関するアイデアを、シートの一番上の3マスに記入して次の人に回す。
③繰り返していき、シートをすべて埋める。
④出たアイデアの中から魅力的だと思うものに投票する。(複数投票可能)
⑤投票されたアイデアを整理してグループで協議する
どんなときに役立つ?
ブレインライティングは以下のようなときに役立ちます。
- 発言するのが苦手なメンバーばかりのとき
- ゲーム感覚でアイデア出しをしたいとき
- 個人のアイデアに否定的な意見を出したくないとき
オズボーンのチェックリスト
オズボーンのチェックリストは、ブレインストーミングなどの自由に発想するフレームワークで行き詰まりを感じたときに使えるフレームワークです。
テーマに対して9つの質問を投げ、その答えを考えることでアイデアに繋げます。
オズボーンのチェックリストの9つのチェック項目
オズボーンのチェックリストには以下の9つのチェック項目があります。
- 転用・・・他の使い道はないか?
- 応用・・・他の分野や他商品から応用できないか?
- 変更・・・色や形などを変えるとどうなるか?
- 拡大・・・個数や大きさを拡大するとどうなるか?
- 縮小・・・個数や大きさを縮小するとどうなるか?
- 代用・・・他にも代用できるものはないか?
- 置換・・・順番や手順を置き換えるとどうなるか?
- 逆転・・・逆転させてみるとどうなるか?
- 結合・・・他のものと組み合わせてみるとどうなるか?
どんなときに役立つ?
オズボーンのチェックリストは以下のようなときに役立ちます。
- アイデアに行き詰まりを感じたとき
- アイデアをさらに深掘りしたいとき
KJ法
KJ法は、ポストイットなどを使ってアイデアを書き出して、それらをグループ化したり関連付けしながらまとめていくフレームワークです。
KJ法の手順
①キーワードや短い分をポストイットに書く。
②ポストイットをグループ化して、グループ名を付ける。
③関連のあるグループ同士を近くに配置したり、関連性の強いグループを線や記号で繋いで整理する。
④カードを並べ替えたり順序をつけたり、アイデア同士を組み合わせて発想していく
どんなときに役立つ?
KJ法は以下のようなときに役立ちます。
- アイデアや思考を整理したいとき
- 複数人とアイデアを共有したいとき
フレームワークを使って良いアイデアを出しを行うためのコツ
ここまで様々なフレームワークを紹介してきました。
最後に、良いアイデア出しを行うためのコツについて紹介します。
質より量を重視すること
アイデア出しを行う際は、いきなり良いアイデア考えようとしなくて大丈夫です。
いきなり良いアイデア考えようとすると、かえって自由な発想ができず案が出てこなくなることもあります。
質よりも量を重視してアイデア出しを行っていきましょう。
他人のアイデアを否定しない
他人のアイデアを否定するのはアイデア出しを行う上で絶対にやってはいけない行為です。
出したアイデアを否定されることで、発言しづらい空気になってしまう危険があります。
魅力的なアイデアを出すためにも、実現可能性などは置いておいて否定は控えるようにしましょう。
斬新なアイデアを歓迎する
奇抜なであったり斬新なアイデアでもどんどん出していきましょう。
普通の考えからすると「ハア?」となりそうなアイデアでも、それが良い企画に繋がる可能性を秘めています。
また、発想の幅を狭めないためにもどんどん斬新なアイデアを出していきましょう。
アイデアをつなげていく
一通りアイデアを出したら、そのアイデアから連想していって更にアイデアを出していきましょう。
アイデアをどんどんつなげていくことで、新しい企画に使える発想が出てくるかもしれません。
できる限り制限を設けず、アイデアを出していきましょう。
制限時間を意識する
アイデア出しを行う際は、制限時間を設定しておくと良いです。
時間を定めずに行うと集中力が切れて、グダグダになってしまう可能性があります。
制限時間内で、アイデアを出し切ることを意識するとより良いアイデア出しを行うことができます。
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まとめ:量を意識してアイデア出しを行っていこう
アイデア出しはとにかく量を出すことが重要です。
ぜひ今回紹介したフレームワークを使用してアイデア出しに役立ててください。
また、この他にもビジネスやマーケティングに関する情報を紹介しておりますので、気になる方はぜひご覧ください。