デザイン思考はデザイン業界に限らず、文学や科学、ビジネスなど、様々な業界で活用されている「問題解決の考え方」です。
この記事では、デザイン思考の概要やできること、実践の仕方について紹介します。
デザイン思考って何?
デザイン思考とは
デザインといえば、ポスターのレイアウトやイラストの図案などのデザイナーの作業をイメージする人も多いかもしれません。
しかし、デザイン思考の「デザイン」は「設計」という意味合いが強いです。
デザイン思考とは、消費者も気づいていない問題や課題を見つけて、解決策を「設計」していく思考方法のことです。
過去のビジネスでは、一度商品やサービスを作れば何もせずとも消費者がついてきました。
しかし、現代はスマートフォンをはじめインターネットが普及し情報が飽和しています。
そのため、消費者がどのような問題を持っているのかが顕在化し、それらを解決するための商品やサービスも多く開発されてきています。
デザイン思考は、そのようなインターネット社会でまだ消費者も気づいていないニーズを見つけ出すために必要不可欠な思考方法なのです。
デザイン思考は、P&GやGoogleといった海外企業だけでなく日本企業などでも導入が始まっています。
デザイン思考を使うと何ができるの?
でも、デザイン思考で何ができるのかまだよくわかんないっす…。
「新たなアイデア」を生み出すことができる
現代の社会では、価値観の多様化や家族構成の複雑化、情報の飽和などに伴い、消費者のニーズは多様化・複雑化・変動性が高まっています。
そのため、ただ高品質なモノを作るだけでなく「誰に何を作るか」、「作ったものをどのようなアプローチで消費者に届けるのか」を考える必要が出てきました。
デザイン思考では、消費者のまだ気づいていないニーズから商品やサービスを開発していくため「新たなアイデア」を生み出す可能性を秘めています。
ターゲットのニーズに当てはまる商品やサービスを開発できる
また、デザイン思考にはターゲットのニーズに当てはまる商品やサービスを開発できるというメリットがあります。
例えば、車を開発するときに誰をターゲットにするかでデザインや機能も変化します。
5人家族の父親と一人暮らしの男性を比べると車に求めている機能も違うでしょう。
先述した通り、デザイン思考では消費者のまだ気づいていないニーズから商品やサービスを開発していくため、ターゲットに合わせて最適な商品を作り出すことができます。
デザイン思考を実践する手順
でもデザイン思考ってどうやって実践すればいいんすか?
ここでは、デザイン思考の実践方法について紹介するわね!
STEP1:共感
最初のステップの「共感」では、消費者の問題や課題が発生している状況を観察して、求めているものは何なのかを発見することが目的です。
実際に商品を使用して、消費者目線で課題や問題点を探ったり、実際の消費者にアンケートやインタビューを実施するなどして、消費者の悩みや感情に「共感」していきます。
また、実際に商品を使用している場面を観察して得た気づきを分析して、新たな気づきや共感を獲得していきます。
「共感」のステップで重要なポイントは以下の通りです。
- 消費者視点で悩みや感情に共感すること
- 目に見える行動や言動だけではなく、その背景にある心理や価値観にも着目すること
- 消費者がこれまで当然だと思っていたことに対して違和感や疑問を見付けること
STEP2:定義
「定義」のステップでは、「共感」のステップで得た気づきから問題点や課題を絞り込み、ニーズを定義していきます。
「共感」のステップで得た気づきを整理して、消費者がどんな悩みを持っているのか、本当の願望は何なのかを分析します。
例えば、車を開発するときに「大きい車が欲しい」だとニーズとして適切ではありません。
なぜ大きな車が必要なのか分析して、「家族でゆったりと使える車が欲しい」などの本質的なニーズを発見していくことが重要です。
このステップで定義したニーズが、商品のコンセプトに直結するので一番重要なステップだといえるでしょう。
STEP3:概念化
「概念化」のステップでは、「定義」で決めたニーズを解決していく為にアイデア出しをします。
ブレインストーミングなどのフレームワークを活用して、質よりも量を重視して考えられ得るさまざまなアイデアを創造していきます。
また、このステップでは基本的にすべてのアイデアに肯定的な姿勢で臨みましょう。
「このアイデアは実現可能なのか?」などと実現性を意識しすぎてしまうと、いつの間にかありきたりなものになってしまう可能性もあります。
なるべく、質は問わず多くのアイデアを出し、ある程度の数が出たら取捨選択をして、ブラッシュアップしていきます。
STEP4:試作
「試作」のステップでは、「概念化」のステップで出したアイデアを形にしていきます。
なるべく費用をかけずに試作品を作るステップです。
「試作」のステップで重要なポイントは以下の通りです。
- 試作品から新たな学びや有効なアイデアを見つける
- 試作品の結果から「共感」、「定義」をもう一度見直す
- 今まで見えなかった課題点を浮き彫りにすること
STEP5:検証
最後のステップの「検証」では、「試作」のステップで作成した試作品を消費者に使用してもらうことで、良い点や悪い点などのデータを収集します。
「定義」のステップで定義したニーズを満たしているか、「試作」のステップで作成した機能が有効であるかなどに重点を置いて、ユーザーの生の声を集めます。
それらを基に、試作品のブラッシュアップをしていきましょう。
「検証」のステップで重要なポイントは以下の通りです。
- 常に消費者目線で考えることを忘れない
・何度も「検証」のステップを繰り返し、最新の情報を取り入れ続けること
・さまざまな問題点が出てくるときは、優先順位を決めること
・試作品に問題点がある場合はアイデアや試作品について考え直すことも大事
5つのステップでできるなら僕でもいける気がしてきたっす!
実際は、この5つのステップを、何度も繰り返し徐々に完成へと近づけていくことになるわね。
繰り返せば繰り返すほど、作られるモノもブラッシュアップされていくわ。
デザイン思考を実践する際の注意点
早速実践していきます!
注意点を知らずにデザイン思考を実践すると、アイデアが良くない方向に向かう可能性があるから要チェックね。
ターゲットを決めて実践すること
デザイン思考を実践するときは、必ずターゲットを絞り込むようにしましょう。
デザイン思考では、消費者に共感しニーズを探るステップを欠かすことはできません。
ターゲットとなる消費者のニーズから、アイデアを出し商品を開発していく思考方法ですので、ターゲットを絞り込むことを忘れないようにしましょう。
偏った認識や意見を持たないようにする
デザイン思考を、特に一人で実践している時に多いのが「偏った認識や意見を持ってしまうこと」です。
デザイン思考で重要なのは消費者目線で考えてニーズを定義していくことです。
思い込みや偏見で、「このほうが良いだろう」と決めつけずに客観的な意識を持って進めていきましょう。
また、複数人で考えていくことも有効な手段です。
商品が完成した後も検証を続けること
一度商品が完成した後も、消費者の声を集めて検証を続けていきましょう。
市場に溢れる情報や消費者のニーズは、時代とともに変化していきます。
変化していくニーズを見落とさないためにも、定期的に消費者の声を集めて検証を行うことが大事です。
消費者のニーズを無視しない
デザイン思考を実践する上で、「消費者のニーズに気づけない」、「消費者のニーズを無視する」ことは失敗を招く恐れがあります。
「共感」のステップでは、消費者の目線になって悩みや感情に共感することを忘れないようにしましょう。
また、どうしても主観になってしまったり、消費者に共感ができない場合はインタビューやアンケートを実施して、生の声を参考にしてみましょう。
「共感」、「定義」のステップで、適切な消費者のニーズを把握することで「試作」のステップで作成する試作品のレベルも高くなります。
消費者のニーズを的確に捉えることに重点をおきましょう。
結果を重要視し過ぎず、過程を大事にすること
デザイン思考で重要なのは、「共感」と「定義」ステップで、消費者の気づいていない潜在的なニーズを発見することで、新たな解決案を打ち出すことです。
「試作」や「検証」のステップで良い結果を出せなくても、何度も5つのステップを繰り返し商品をブラッシュアップしていきましょう。
デザイン思考を実践する時に役立つフレームワーク
僕も早く実践したいっす!
色々なフレームワークがあるからぜひチェックしてちょうだい!
ジョブマップ
ジョブマップは、ジョブ理論を用いて消費者のニーズや困っていることを書き出し、消費者が満足してまた使ってくれるためのプロセスを可視化してくれるツールです。
消費者の心理やニーズを可視化するのに役立ちます。
ジョブ理論とは・・・イノベーション理論の権威であるクレイトン・M・クリステンセン教授が発表した理論です。
「人が商品・サービスを買う行為の背後にあるメカニズム」を詳細に説明したもので、企業側から積極的にイノベーションを起こすことを可能にし、顧客の購買メカニズムを分析することで、新しい市場機会や市場そのものを生み出すための実践的な考え方を提示してくれます。
共感マップ(エンパシーマップ)
共感マップとは、消費者視点で感情や行動を整理して、ニーズを浮き彫りにするフレームワークです。
消費者の置かれている状況や感情を理解し、サービスの設計や改善に活かすために使用されます。
共感マップの使う時は、消費者が普段見ていることや考えていること、行動や願望などを、具体性を持って書き出し、一つの図にまとめるという方法で整理していきます。
消費者の視点を俯瞰できるようにマップ化することで、ニーズを発見しやすくなるというメリットがあります。
共感マップの要素は、以下の6つがあります。
- 消費者が見ているもの
- 消費者が聞いていること
- 消費者が考えていること・感じていること
- 消費者が言っていること・行動
- 消費者の痛みやストレス
- 消費者が得られるもの・欲しいもの
ビジネスモデルキャンバス
ビジネスモデルキャンバスとは、9つの要素からビジネスモデルを分析し「誰に何を(どんな価値を)提供するのか」を設定するために使われるフレームワークです。
9つの要素に分解することで、今まで目を向けていなかった課題や気づきを得られ、新たなアイデアのヒントを得ることが可能です。
9つの要素とは、一般的に以下のものを指します。
- 消費者は誰か?
- 消費者にどのような価値を届けるか?
- どのように商品を届けるか(販路)?
- 消費者とどのように関係を構築するか?
- どのように収益を確立するか?
- 必要な資源(リソース)は何か?
- 価値を届けるためにするべき主要な活動は何か?
- どのような協力者が必要か?
- 価値を届けるためにいくらの費用が必要か?
MVPキャンバス
MVPキャンバスは、スタートアップ企業や新規事業部など新しく事業を始めたいが予算がない場合に有効なフレームワークです。
MVPとは「必要最小限の価値だけを搭載した商材」のことを指し、このMVPを作成することで限られた時間とコストで消費者のニーズを検証することが可能です。
MVPキャンバスを活用すれば「仮説からどのような結果を得るのか」や「MVPの後にどんな商品やサービスを作るべきか」がより明確化されます。
MVPキャンバスは以下の10の要素で構成されます。
- どのような仮説を立てるか
- 何を学ぶのか
- どのように仮説を検証するのか
- 必要なデータ・条件は何か
- 何を作るのか
- MVP構築にいくらのコストが必要か
- 実証にどのくらいの期間が必要か
- どんなリスクが発生していくつのリスクを回避できるか
- どのような結果を得られるか
- 結果からどのような学びを得られるか
事業環境マップ
事業環境マップでは、商品を取り巻く外部環境を具体的にまとめることができます。
「市場」、「産業」、「トレンド」、「マクロ経済」の4つの外部環境をフレームワーク上でまとめて、商品を公開したあとの環境の変化も分析できます。
それぞれの外部環境の分析のポイントは以下の通りです。
市場の分析のポイント
- 市場がどのように変化しているか
- 市場の中の誰をターゲットにするべきか
- 需要と供給のバランス
- 消費者が競合他社に乗り換える理由やスイッチングコスト
- 収益に関連する情報
産業の分析のポイント
- 競合がどこで、自社と比較してどうか
- 新規参入してくる他社は、自社と比較してどうか
- 代替サービスとしてどんなものが挙げられるか
- ステークホルダーがどのような影響力があるか
トレンドの分析のポイント
- ビジネスモデルに関係するテクノロジー
- ビジネスモデルに関係する規制にはどんなものがあるのか
- 社会的・文化的なトレンドの変化は自社にどんな関係があるのか
- 社会経済のトレンドの変化は自社にどんな関係があるのか
マクロ経済の分析のポイント
- 市場全体はどう変化しているのか
- 資本市場はどう変化しているのか
- 原料やリソースの価格と今後のトレンドはどう変化しているのか
- 経済インフラはどう変化しているのか
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まとめ:デザイン思考を実践して新たなビジネスチャンスを
まだ、誰も気づいていないアイデアやニーズを生み出す可能性を秘めているから是非活用してみて!
今回のまとめ
- デザイン思考は新たなアイデアやターゲットのニーズに合う商品を開発できる
- デザイン思考は「共感」、「定義」、「概念化」、「試作」、「検証」の5ステップで実践される
- デザイン思考はさまざまなフレームワークを使って実践すると良い
またこの他にもデザインやマーケティングに関する記事を投稿しておりますのでぜひご覧ください。